「チャーガ」の基礎知識
1「チャーガ」とは
チャーガとは和名カバノアナタケ、別名シベリア霊芝と呼ばれるきのこです。霊芝(サルノコシカケ)に近い種類で、白樺やダケカンバなどのカバノキ科の幹に寄生します。白樺の木2万本にたった1本しかないと言われ、丸1日山の中を探し回ってやっと1つ見つかる程度の希少価値の高い「幻のきのこ」です。ヨーロッパ・ロシア・日本の北部地方・中国の東北地方・北米の一部の寒い地域に生息し、一般的にみられるようなきのこの傘はなく、黒いこぶのような形をしていて、外側は石炭のように硬くごつごつしています。
チャーガは寄生した木のエキスを吸いながら10〜15年という長い年月をかけて成長していきます、そして最後には寄生した木を枯らしてしまうので、「ガンのようなきのこ」といわれることもあります。
チャーガの豆知識
チャーガとはロシア語の「チャガ」=「古い幹にできる黒いきのこ様のコブ」からきていると言われています。チャーガの歴史は古く、イタリア南部で発見された新石器時代後期(今から五千年以上前)の凍結ミイラの携帯品の中にもありました。また、十六世紀のロシア皇帝ロマノフがチャーガで口唇ガンをなおしたと伝えられています。チャーガは一般的にはお茶として飲まれます。
硬くごつごつした見た目とはちがい、チャーガ茶はくせがなく、比較的飲みやすい健康茶です。
2「チャーガ」の研究
チャーガの産地では 「胃腸に良い」「がんに効果がある」としてお茶や薬用酒にして飲まれていました。民間薬として古くからその効果は認識されていましたが、本格的に研究され始めたのは1950年以降です。主にロシアで研究開発が進み、現在、ロシアではチャーガは、医療薬として臨床で使用され、ロシア赤十字社はチャーガを主成分とした抗ガン剤を販売しています。日本でもチャーガの研究は1996年静岡大学故水野卓名誉教授グループに始まりその後も各大学や機関で研究が進められています。
チャーガが寄生する「白樺」はロシアでは「魔法の樹」とも言われ、「樹液」には多糖類、サポニン、アミノ酸、有機酸、ミネラルなどの有効成分が多く含まれています。アミノ酸には体内で合成できない必須アミノ酸が豊富に含まれ、美肌効果が注目されています。そのほか、がんや高血圧の改善、抗ストレス、利尿、便秘、胃腸病、腫れ物など様々な効果があり、健康飲料や化粧品などに利用されています。虫歯になりにくいことで知られている甘味料、キシリトールの原料も「白樺の樹液」からつくられているのです。
チャーガにはこれら白樺樹液の有効成分ときのこ本来の成分がぎっしり詰まっています。
3「チャーガ」の成分
チャーガの成分は、タンパク質・脂肪・灰分・食物繊維・糖質・エルゴステロールやビタミン類・ミネラル類の他、フラボノイド・トリテルペノイド・アルカロイド・プテリン・アガリチン酸・イノシトールなどが含まれています。
β-D-グルカン
免疫力が弱い人には免疫強化し、強すぎる人には抑制する働きがあります。
チャーガの多糖類には免疫力を高める作用のあるβ-D-グルカンが多く含まれます。アガリクス茸のβ-グルカンは水溶性のみですが、チャーガは、水溶性のヘテロβ-D-グルカン、不水溶性のホモβ-D-グルカンと2種類のβ-D-グルカンベータが含まれることがわかっています。
これは他のきのこにはあまりみられないものです。β-D-グルカンは他のきのこに比べて含有量が高く、天然のアガリクス茸の3〜4倍含まれています。
SOD様物質
抗酸化作用により活性酸素を抑制する働きを持っています。
私達の体の中には有害な活性酸素を分解してくれる抗酸化物質が存在しています。その代表的なものがSOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)です。チャーガにはこのSODと同じような働きをするSOD様物質が含まれ、その抗酸化力はアガリクスの23倍にもなります。
●食物繊維
チャーガには食物繊維(有害物質を体外に排出する働きがある栄養素です)が豊富に含まれています。
以前は栄養がないと思われていた食物繊維ですが腸の働きを整えるたり、コレステロール値を下げるなど、重要な働きがあります。
特にチャーガにはリグニン(ウィルスが増殖する時に使う酵素を抑える働きがある栄養素です。)という繊維が含まれ、ポリフェノール(抗酸化物質として作用し、生活習慣病の予防や発ガン性物質の活性を抑制する働きがある栄養素です)を上回る抗菌・抗酸化作用・ウィルス抑制作用があります。チャーガから抽出されたリグニンで、強いHIV(エイズ)ウィルス抑制作用がある事が報告されています。
その他の有効成分
●イノシトール(肝臓に過剰な脂肪の蓄積を防止し、コレステロールの流れを促進する働きの他、神経細胞の細胞膜を形成する材料となる栄養素です。)はビタミンB群に含まれる天然ビタミンで、肝臓に脂肪がたまるのを防止します。
●エルゴステロール(紫外線に当たるとビタミンDに変化します。ガン細胞が新しい血管を使って増殖する事を阻害する働きがある栄養素です。)はビタミンDの前駆物質で、紫外線を当てるとビタミンDに変化します。このビタミンDは骨粗鬆症の予防には欠かせないもので、女性は特に積極的に摂って頂きたい成分です。
●その他、鉄分(赤血球の製造に必要な栄養素です)、カルシウム(骨や歯の形成に必要な栄養素です)、マグネシウム(骨や歯の形成や多くの体内酵素の正常な働きと、エネルギー産生を助けるとともに、血液循環を正常に保つ為に必要な栄養素です)、亜鉛(味覚を正常に保つ働きの他、皮膚や粘膜の健康維持や、たんぱく質・核酸の代謝に関与し、健康促進に役立つ栄養素です)などの栄養素が含まれています。
4「チャーガ」の効果
抗酸化作用
活性酸素という言葉を一度は耳にした事があると思います。最近の研究では病原菌以外の病気の9割はこの活性酸素が原因と言われるほどです。がんをはじめ心筋梗塞、脳血管障害、動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病、肝炎、痴呆、しわ、シミ、吹き出物などの肌のトラブルさえも活性酸素が関係しています。活性酸素は常に体内で発生していますが、さらに大気汚染、化学物質、食品添加物、ストレスなどにより、多くの活性酸素が体内で発生するといわれています。現代人は常に活性酸素の危険にさらされているのです。
本来人間の体内には抗酸化物質が備わっていて、活性酸素を除去し、活性酸素の害から体を守ってくれています。この抗酸化物質の代表的なものがSOD(スーパー・オキシド・ディムスターゼ)という酵素です。
このSODの量には個人差があり、SODの力は年齢とともに弱まっていきます。
チャーガにはホウレン草の250倍・野菜ジュースの175倍・アガリクスの23倍の抗酸化力があります。
一般的にきのこ類にはSODのような働きをするものが多いのですが、チャーガにはSOD活性が非常に高いことが確認されています。
抗腫瘍作用
チャーガには水溶性多糖類と不溶性多糖類の両方が含まれますが、そのいずれにも抗腫瘍活性が認められています。ロシアではチャーガの抽出液から作られた「ベフンギン」という抗ガン剤が正式な薬として国に認可されています。
免疫力増強
人間の体内には細菌やウィルスなどの外敵や悪い細胞が発生するとそれを攻撃して体を守ろうとする免疫機構が備わっています。私達の体には、毎日数千の異常細胞が発生していますが、この免疫機構のおかげで悪性化しないですんでいます。
この免疫力にも個人差があり、偏った食事や睡眠・運動不足、喫煙、老化、ストレスなどが原因で低下していきます。
一般的にきのこ類は免疫力を高める効果があるといわれていますが、これはきのこに含まれる多糖類の働きで、なかでもβ-D-グルカンは免疫力を高める効果が強いとされています。チャーガはこのβ-D-グルカンが他のきのこ類より多く含まれ、マクロファージや、NK(ナチュラルキラー細胞)など免疫細胞の活性化、免疫に関与する活性物質の分泌を促進、するなど、様々な作用で強力に免疫力を高めます。また、豊富な食物繊維も腸内環境を改善する事により、免疫力をアップさせます。
チャーガの美容効果
チャーガの有効成分は美容にも大きな効果を発揮します。
●紫外線による活性酸素除去
チャーガの強い抗酸化作用によって、紫外線による活性酸素を除去し、皮膚の代謝機能が回復します。それによって沈着した色素が肌の表面に押し出され、やがて古い細胞とともにはがれ落ちます。シミだけではなくニキビや肌荒れも活性酸素が原因とされていますので、活性酸素を除去することにより肌のトラブルは大幅に軽減されます。
●お肌の免疫力UP
肌にはランゲルハンス細胞という免疫細胞があります。外部からの菌・ウィルス・カビ・放射線・紫外線などの侵入から肌を守っています。肌の免疫力が落ちると抵抗力が弱まり、肌荒れやニキビなど肌のトラブルが起こります。
チャーガに多く含まれるβ-D-グルカンなどは免疫細胞を活性化させる力が強いので、肌免疫をも高めてくれます。肌免疫によって肌の抵抗力は高まり、健康でトラブルの起きにくい美しい肌を保つことができます。
●お肌の血流を良くする
また、チャーガには末梢血管の血流を良くする効果もあるので、肌にハリをもたらし、肌の内側から若返らせることができます。
●便秘を解消
女性に多い便秘は肌の大敵です。チャーガには多くの食物繊維が含まれていますので、腸内環境を整え、便秘を解消に効果があります。さらに不要となった老廃物や不純物も取り込んで一緒に排出してくれます。
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